イラスト、絵

 

福島県小田字

在家の山

雨の紅枝垂れ桜

F 6 サイズ アクリル
28×34cm

F 4       お渡し価格(送料込)¥20000
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真昼の月

竹取物語より……想像の世界

かぐや姫には成長の過程で自分に月からの迎えが来るのは充分に分かっておりました。
彼女が美しく成長するに、若い男達が騒いで来るのも、ですから知らない顔をして居たのでおります。地球に別れを告げるのは其れは寂しい事でおしゅうごさいますけれど、どうしても自分の星に帰らなければなりません。姫は無情な娘ではございませんでした。いっぱいこの星で暮らして嬉しいことも楽しい事も有りました。此処を去るその寂しさは何方様にもお分かり頂けません事でしょう。
いつの頃からか1匹の黒猫が姫に懐いて来るようになっておりました。
可愛くて愛おしい、そんな存在でございました。
明日の夜いよいよ月からの迎えが来るのでございます。姫はは月に帰る身支度を始めておりました。
するといつもよりまとわりつい
てくる黒猫。何故かこの子だけには明日さよならする事を告げなくてはならない気がして姫は猫に諭しましたのでございます。
私はこの星の人では無いの。月からの乗り物が事故に有って、緊急に産まれたばかりの私を家族がこの星に避難させて居たの。あの竹やぶの中に不時着したのよ。やっとお迎えの準備が出来て明日の夜に迎えが来るのよ。だから貴方とも明日が最後なの。分かって頂戴ね。
そう姫から聞いた黒猫は大きな涙が流れ止まりませんでございました。話した事を全部理解したのです。何故ならその黒猫はまた他の天体から不時着した青年の仮の姿なのでございました。
其れを姫には教える事が出来ません。理解はしても言葉を持たないからでありました。そして天体の違うもの同士が一緒の星に向かう事も許されてはおりませんでございました。お別れでございます。
後から後から黒猫の涙は出て溢れ、とその涙が細い川となっておりました。
真昼の月はことの他大きくてとても美しくて、その分黒猫の青年は悲しくてたまりません。明日姫のお迎えが来る時僕はこの川に身を投げてしまおう。そう心に決めたのでございます。
月を眺めて決めたのでございます。
姫の居ないこの星にもう未練は有りません。姫にはこの気持ちは分かりませんでありましたでしょう。
とても悲しい黒猫青年の片思いの恋が後一日で終わろうとしておりました…。 完

F10
アクリル水彩 真昼の月

F 10アクリル

額装済       お渡し価格(送料込)¥65000

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夕鶴 未練
想像の世界

私とても嬉しかったんや
前からほんとは好いとってん
だから少しでも永く
一緒に入れたら思ってたん
約束やったやろ?
何で覗いたん?
行かなあかん、
嫌なのに
行かななあかんやん
後ろ髪引かれてな
ほんま
人になれたらええと
思うんやけど
それ出来ひんねん
そやかて行くやさかい
もう少し居させてぇな
今飛んでいくさかい
ウチあかんな
未練やわ
あんさんに
嫌われんうち
はよ行かなあかん
この羽、置いてくさかい
貰ろてな
これ生活困らんくらい
沢山の反物になるさかいな
きっと
きっと
気付いてな
一つだけ銀色に織った
反物が有るん
其れウチと思うとって
其れだけは
売ったらあかんよ
売らんといて
最後の約束やで
鶴やけど女房で入れて
ほんま嬉しかった
ほんま……。

 

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F 6          アクリル水彩画   

お渡し価格(送料込)¥26000